材料に力を加えるとその力に見合っただけ線材が伸びます。その伸びる割合は材料によって異なりますが、一定の値をもっています。これを弾性係数とよび、一般にE値といいます。
鋼の場合は約 206000N/㎜² 、銅ならば約 120000N/㎜² となります。これは同じ力が加わった時、鋼のほうが銅に比べて伸びにくいことを示しています。
弾性係数の単位は N/㎜² となっていますがこれは材料の引張り強さを示す単位と同じで、材料の 1 平方ミリ当たりの引っ張り強さを“N”で表しています。例えば、引張り強さ 100 というのは材料の引張り強さが 100N/㎜² であることを示しています。
このほかにも材料の引張り強さを示す弾性限を表したり、ばねの強度や設計などにも使用できます。
ところが、このように力が加わっても出来るだけたわまない様にした部品だけでは機械が成り立ちません。逆に力が加わったら十分たわんでくれる部品も必要です。よって、たわみが十分多くなるような形、すなわちコイルばね・薄板ばねのような形状が使用されます。
一般の機械部品のばねはばね定数が大きいが、精密ばねにばね定数が非常に小さいという特徴があります。
これを剛い・柔らかいといいます。ところが一方では硬い・軟らかいという言葉や、強い・弱いという言葉もあり、ますます混乱しやすくなります。
ばねのお客さんと話をする時はその当たりの言葉遣いを確かめておかないと、とんでもない間違いが起こることがあります。
図 1 のように荷重とたわみの比、すなわちばね定数[P/δ]が大きいものが剛いばね、逆に小さいものが柔らかいばねです。
また、図 2 のように同じばね定数でも最大荷重(使用限度)に差があり、使用限度が小さいばねを弱いばねといいます。
すなわち、強いばねはばねの最大使用限度が高く、弱いばねは使用限度が低いばねをいいます。同じばね定数でも強いばねは100Nまで使用できるが、弱いばねは 70N までしか使用できません。
これが剛いばねと柔らかいばね、強いばねと弱いばねの違いです。
今日はこれまで。