めねじを修復!
タングレスインサートのリペアキットです。
■ めねじを修復する仕組み
破壊され、ねじ山を失っためねじ箇所にコイル状の専用インサートを埋め込み、ねじ締結を甦らせます。
⇒右図:修復例 上図:インサート写真 |
■ ラインナップ
現在対応するねじサイズはM4、M5、M6になります。それぞれグリップの色が異なります。
対応ねじサイズ | 工具の色 | 製品番号 | |
M6 | 赤 | ||
M5 | 黄 | ||
M4 | 緑 |
■ 修復作業前の確認
修復箇所にタップ立てを行いインサートを挿入します。インサートの収まるスペースをご確認願います。
A 通り穴(貫通穴)の場合 |
B 止まり穴の場合 |
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ねじサイズ | 挿入箇所の厚み A寸 |
タップ立てに必要なドリル加工深さ B寸(参考) |
M4 | 6 mm 以上 | 12.5 mm 以上 |
M5 | 7.5 mm 以上 | 15.0 mm 以上 |
M6 | 9 mm 以上 | 16.5 mm 以上 |
通り穴(上図左側 A)の場合
表記載の各ねじサイズ毎に異なるA寸以上の厚みが必要です。
止まり穴(上図右側 B)の場合
タップの有効ねじ部までの長さにより、通り穴より長めの深さ寸法の確保が必要になります。
❢おねじの長さによっては、更に深く寸法をとる必要がありますので、おねじ寸法と併せてご確認ください。
本キット以外に必要なもの
修復作業はドリル加工とタップ立てを行います。ドリルとタップは付属しておりますが、それぞれ専用の機器もしくはハンドルをお持ちでない場合は、別途ご用意願います。
■ 修復の手順
前項記載内容と同じになりますが、修復するめねじ箇所に対して 1.インサートを埋め込むスペースとドリル加工の深さ。 2.ドリル加工とタップ立ての手段の確保(ハンドルの有無)。 以上ご確認ください。 |
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破損した箇所をドリルでさらいます。 通常の加工では、タップ前の下穴加工にあたります。 加工にはドリルハンドルなどを用います。お持ちでない場合は市販のものをご用意ください。 |
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タップ立てを行います。作業にはタップハンドル(ホルダー)が必要になりますが、お持ちで無い場合は市販されているものをご用意ください。ハンドルに組むと左写真の様にT字になります。 要領は、まず穴に対して垂直に保ち、時計方向に回しながらタップを食付かせます。 ❢ハンドルが平行であればタップは垂直になります。また、食付かせる段階では、立てる方向に力を加えながら回します。 垂直に食付いた後は、おおむね一回転立てた後、半回転戻すを繰り返し行い、所定の深さまで立てていきます。 ❢タップ立て後は、切り粉の除去を入念に行って下さい。残りカスがインサートの挿入を妨げる場合があります。 |
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インサートを挿入するには、まず工具先端にインサートを装着します。
工具のリリースボタンを押して工具先端の爪を引っ込め、インサート全てが先端部に入り、爪とインサートの切欠きが引っかかれば装着完了です。 → |
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挿入工具を穴に対して垂直に保ち、時計回りで挿入します。 |
❢ 途中で障害物などを感じた場合は無理に回さず、一旦逆回転で工具と共にインサートを外し、再度(3)のタップ立てからやり直して下さい。
インサートが所定の位置まで埋め込まれれば工具を逆回転で取り出します。出口側にも爪が引っかかる箇所があり、ボタンで爪を引っ込ませた状態で回して外します。
その他、便利な使い方 ~インサートの抜き取りなど~
挿入作業で工具をとり外す際に、リリースボタンを押して出口側切欠きに掛かった爪を引っ込めて工具を外しますが、この時に爪を引っ込めず掛かった状態で回し続ければインサートも同軸で回転するので抜き取る事が可能です。
例えば、インサートを深く埋め込み過ぎて半回転分だけ戻したい場合など、出口側切欠きとの爪の噛み合わせを利用して戻す事が出来ます。 |
*生産材としてインサートを大量に使用されるお客様へ
本キットに付属する工具は、めねじ修復に限定した簡易的な工具です。工業製品のめねじ補強目的など数が多いインサート挿入作業には、電動工具に装着可能な挿入工具(型番:2CT10-M**)シリーズをご使用ください。